ウルトラマン 第15話 「恐怖の宇宙線」
色々なことが重なって、ウルトラシリーズをちゃんと見てみようと思い立ち、初代をレンタルして順に見ているのだが、15話がとんでもなかった。
子供たちの描いた怪獣「ガヴァドン」の絵が、謎の宇宙線によって実体化する。ところが怪獣は寝ているだけで、科特隊が手出ししなければ暴れることはない。それでもやがて、怪獣の居座る東京からは人気がなくなり、やはり放ってはおけないと科特隊は怪獣の討伐を決意する。怪獣を攻撃しないでくれと懇願する子供たち。やがてウルトラマンが現れると、子供たちは口々に、やめてくれ、殺さないでくれと叫ぶのだった。
・・・・
自分は先天的に怪獣が好きだった、という思いがある。
怪獣が好きでなかった頃の記憶がないからだ。
きっと子宮にいるときから好きだったのではないかと思う。
ウルトラマンのデザインの凄みに気付き始めたのはつい最近になってからで、子供の頃から私のヒーローは怪獣だった。
だから、戦いを見ながら、殺さないでくれと叫ぶ子供たちの声に、涙が止まらなかった。
毎年七夕の夜、星空の中、ガヴァドンに会えるようにしてあげる、だから泣くなとウルトラマンは諭す。
拗ねた顔で子供は言う、
「七夕の夜、雨が降ったら、どうなるんだよ」
子供は大人の気休めに騙されたりしないのだ。
ラスト、地面に怪獣の絵を描き殴る子供たち。
また宇宙線が降り注いで怪獣が実体化したら・・・とムラマツ隊長は暗澹とする。
だが「自分の好きなものを絵に描く自由は子供たちのもの」だ。
暗澹としながら、それでも子供の自由を認め黙って見守るムラマツ隊長は立派な大人だ。
でも自分は立派な大人になどなるものか、とこのエピソードを見て私は決意を新たにした。
死ぬまで怪獣の絵を描き殴り続けよう、いつか宇宙線が降り注いで、実体化した怪獣が人間の作った街など完膚なきまでに破壊してしまうことを願って。
そして今度こそウルトラマンに負けないよう、必死に声援を送るのだ。
ウルトラマンのバカヤロー!!!